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麻疹ワクシンの接種率の低下

Updated: 4 days ago

アメリカにおける麻疹(はしか)ワクチンの接種率は、近年低下傾向にあります。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、2025年の麻疹感染者数が1227件(6/27/2025現在)に達したと報告しています。そのうち95%がワクチン未接種または接種状況が不明な人々で占められています。これは、ワクチン未接種者の感染率が非常に高いことに加え、麻疹ワクチンの接種率低下とも関係しています。

 

麻疹ウィルスは、感染者がその場所を離れた後も空中で最長2時間ほど生存することがあります。もし、ご自身やお子様が曝露されたと思う場合は医師に連絡することが推奨されています。麻疹は、感染力が非常に強く、免疫のない人(ワクチン未接種者や免疫が不十分な人)の90%が感染するとも言われています。免疫のない方が感染すると高い熱や発疹だけでなく、肺炎や脳炎など重篤な合併症を引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあるため、正しい知識と予防が重要です。

 

< 麻疹の感染過程 >

◎ 空気中に存在する麻疹ウィルスは、鼻、口、目経路から侵入します。

 

◎ その後、すぐに鼻咽頭や上気道に付着し細胞内に侵入し、次第に肺に広がっていきます。ウィルスは、数日以内に近くのリンパ組織に感染して広がり始めます。最初の曝露から約1週間後、感染した細胞は全身の臓器に移動し始めます。(この時、ワクチン接種を受けた子供の免疫システムはウィルスを認識し、撃退します。)潜伏期間は、平均約2週間です。

 

◎ ワクチンを接種していないお子様が飛沫を吸い込んでから数週間後、体調が悪くなり始めます。症状は、発熱やインフルエンザのような症状を呈します。多くの場合、倦怠感と発熱が見られ、その後に目の充血、咳、鼻水、鼻詰まりと言った症状が現れます。この段階で、頬の内側の粘膜(奥歯あたり)に白または灰白色の小さな斑点(コプリック班、約1mm)が生じるお子様もいらっしゃいます。ただし、これらの斑点は、見逃されるか、全く現れないこともあります。

 

◎ その後、赤い発疹が顔から出始め、首・胴体・手足へと広がっていきます。

 

これらの症状の多くは自然に治まり、発疹は最大で1週間ほど続き、出現した順番と同じルートで薄れていくことが多いです。

 

ただし、発疹が出てから3~4日目を過ぎても熱が続く場合は、合併症が発生している可能性があり、危険な状態に陥ることがあります。

 

<麻疹への対処法>

現時点では、麻疹に対する抗ウィルス薬はないため症状を軽くする対処療法が中心となります。麻疹は非常に感染力の強い病気ですが、ワクチンで予防が可能です。私たちは皆さんと一緒に、ご自身とご家族の健康を守りたいと願っています。まだ接種がお済みでない方は、ぜひご相談ください。

 

参考:

CDC ・「Measles Cases and Outbreaks」https://www.cdc.gov/measles/data-research/index.html

        ・「Measles in the United States - March 2024」https://www.cdc.gov/ncird/whats-new/measles-in-us.html

        ・「Clinical Overview of Measles」https://www.cdc.gov/measles/hcp/clinical-overview/index.html

        ・「Measles Clinical Diagnosis Fact Sheet」

        ・「Measles Vaccination」https://www.cdc.gov/measles/vaccines/index.html

       •   The New York Times「How Measles Attacks an Unvaccinated Child」April, 22, 2025 

 

 
 
 

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